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「匠」コラム 第五回 こどもの館 鈴木氏と小野氏

匠コラムをお読みの皆様、「場取武礼駒之介」でござる!
「匠」コラム第五回目は、「戦国兵法 場取武礼駒 川中島之決戦」の
フィギュアデザインを手がけた、「こどもの館 鈴木氏と小野氏」の登場でござる!

鈴木 真(すずき まこと)
新潟県長岡市出身(山本五十六の生地 長岡藩・戊辰戦争で有名)
東京デザイナー学院工芸工業デザイン課卒
(株)こどもの館入社
各種玩具企画開発。
アニメ・特撮・食玩などのメカ・モンスターデザイン。
トレカイラストの描き起こしetcの業務をこなしながら
現在に至る。

小野 哲実(おの てつみ)
群馬県出身
(株)こどもの館入社
男児玩具を中心とする各種玩具企画開発。
メカやキャラデザイン、3DCG作成
グラフィックデザインetcデザイン周りに関わる。


■お二人はどういった経緯で「戦国兵法 場取武礼駒」に参加することになり申したか?

鈴木(以下S)「経緯としては、バトルブレイクのデザインワークをしてまして、その流れです。
本家の方は架空の世界なのでキャラクターの創作という部分が重要な業務なのですが、場取武礼駒の方は史実に基づいた世界じゃないですか?
なので作業としては資料を集めて、造形作家さんが迷わない程度のポーズのアウトラインを提出すれば業務は終わりでは?

などと考えてたのですが、いざスタートしてみるとその読みはアマアマで…(笑)」

■アマアマと申されますと?
S 「とにかく資料がないんですよ!上杉軍武将は謙信以外はほぼ全滅ですし、武田軍でさえ比較的はっきりしてるのは武田信玄・武田信繁・ 山県昌景くらいまでですし。 まあ仕事柄、武者ロボットをデザインするなんて事はざらにあったので、 甲冑武者の資料などはそれなりに集めていたのですが……。」

■ほう、どのような資料を?実際の甲冑等でござるかな?
S 「いえ本です。すいません。
  資料が何処にも無いなら、それはそれで割りきって考証的におかしくない物にしていけば良いのですが、
 本当に何処にも資料が無いのかなかなか見極められないんですよ!」


■ふむふむ……。
S 「各地の歴史資料館は写真撮影を禁止してる所もあるので、Webでちょっと画像検索したぐらいでは引っかからないだけかもしれない。
 そのへんいささか悶々としていたのですが、良いタイミングで新潟県で「謙信公祭」が開催されまして。

自分とバンダイさんとで取材に行くわけです。」



■GACKT(ガクト)どのが参戦されたあの祭りですな?
S 「そう。それ!
まあ日程は一日だけで。
上杉謙信の春日山城跡を実際に歩いて見て回ったり、博物館・資料館の類を取材したり…。
途中、雨も降ってきてかなりの強行軍でした(笑)
でも、実際にそこに足を運んだことにより「場の空気感」みたいなものはデザインにも加味できたかなあ…
と考えております。



■成程。
祭りを見たのは夕方からなのですが、こういった実地取材をしますといろいろわかることも多くて。
博物館の説明員の方に「謙信はなぜ鉄砲をあまり装備しなかったのでしょう?」との質問をすると、
「雪国なので、天候によって鉄砲が作動不良を起こす事が多く信頼できなかったんですね。」とか
「謙信の鎧はとても軽くて15キロくらいなんですよ〜」などなど中々書籍にも書いてない事を教えてもらえたり、
祭りの会場では実際の甲冑を装備した武者がたくさんおり、
「ちょっと後ろ撮らせてもらっていいですか?」とか「ちょっと鎧の袖をめくってもらっていいですか?」
とか変なリクエストにも応じてくれました。

そうそう鬼小島のポーズの参考で、薙刀を借りて自分でポーズをとっての資料写真をバンダイ田中さんに撮ってもらったりとかもしました。」



■甲冑姿だけでどの武将なのかお分かりとは、さすがでござる。
S 「いえ皆さん、背中に名前の入った旗を背負ってますから!(苦笑)
武田軍では、なかなか資料が残っていない武田信繁が兄信玄と同様のヤク毛の兜蓑(かぶとみの)だったりとか、
手持ちの資料から推測して考えてた落とし所は意外に的外れではなさそうとの裏もとれましたし。

実際に甲冑武者を見れたことは細かいディテールのかなりな参考になりましたね。



■小野殿のはどうでござった?
小野(以下O)「自分は歴史ファンの方々に納得いただけるリアルな物を提供できるだろうかと、
プレッシャーを感じていました。
特にバンダイ田中さんが趣味で城を見に行かれるような熱い戦国ファンですので、
お話をいただいたときから情熱がすごくて。
ちゃんと答えられるのだろうかと…。
まあでも、そういう田中さんに納得いただけるものが提供できれば、
戦国ファンの方にも納得いただけると思えたので、ある意味安心できました。」


■そういう重圧(プレッシャー)の中で制作上の苦労などは。
O「リアルさをとても求められていたので、色々資料を見ながらポーズを自分でとってみたりしてみると、
鎧を着て、腕を上げるとカブトに当たったりするので、刀の構えや動きに影響を与えていたり、
馬の乗り方、馬上で武器を振るとか動きが連鎖していくので、資料だけでは全然分からなかったりで、
ただ描くだけではダメなんだなあと分かってきて…これは大変だなあと(笑)
かといって写真まんまだとリアルなんだけど、かっこ悪かったり。
そこでドラマやマンガを見たりすると、実際は跳ねない鎧が跳ねていたり

迫力を演出しているのが分かったりしたのは面白かったです。」



■リアルだけじゃダメでフィクションも混ぜないといけないということでござるな。
O「そうですね。ついでに川中島の資料を読んでると、後々の時代ごとに脚色が入っていて
現実と虚像がない交ぜになってる所があるのがわかってきて、
実在の人物でありながら、その後の語られる各時代においては架空のヒーロー達だったと思えば

本編バトルブレイクと実はそんなに違わないのかなと思えるようになりました。」


■紆余曲折あったけど原点に戻ってきたと。
O「そうですね。でも調べたこだわりは全部入れられたので全く無駄にはなってないと思います。」


■各方、こだわり所、見所なぞを。
S 「各武将のポーズなども、バックグラウンドを調べたうえで、ふさわしいポーズを取らせてます。
例えば鬼小島弥太郎と山県昌景は一騎打ちを行ったとされており、二体を並べるとその場面が再現されるようになってますし、上杉謙信と武田信玄の二体は、言うまでもなく有名なあの場面です。
あまりこのジャンルに興味が無かったと言う方も、今はWebだけでもかなり掘り下げたレベルまで調べられたりするので、
フィギュアに込められた意図を見つけてゆくのも面白いと思います。感情移入度が違うと思いますので。
個人的には川中島の戦いって、あれだけの犠牲を出しながら誰も勝利者では無い。
武田…上杉のどちらかが天下を取る分けでは無いし、
川中島で生き残った武田軍武将も長篠の戦いでは死んでゆく……ドラマのラストに寂寥感が漂いますから、そういう虚しさ哀しさが魅力です。」


O「バトルブレイクは本編もそうですが、味方軍勢の背中を送り出すことができるのが
魅力だと思っていて、ミニチュアたちの頼もしい背中を見ながら

戦場でドラマチックな活躍させて楽しんでほしいです。」


鈴木殿、小野殿大儀であった。
次回は、場取武礼駒のPV及び、CMを製作いただいた
GASPの肥後氏が登場也。

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